黒潮会(会長:高品 斉 8期生)は府立高、都立高、都大附高ぞれぞれの水泳部の継承された唯一無二のOB・OG会である。
本年度は、府立高水泳部が1932年(昭和7年)3月に初めて卒業生を送り出してから77年目の記念すべき年に当たり、このイベントは本年3月13日実行し、桜修館サイドからも大いに歓迎・評価された。
激動と変革の我国の現代史のなかで、府立高等学校、都立高等学校、東京都立附属高等学校と名称こそ変わったが、各時代の水泳部の卒業生は「黒潮会」に入会して、未曾有の試練の大波を泳ぎ越えてきた。
昭和17年の全日本インターハイ水球全国制覇も含めて、戦後は、同じく全国インターハイ水球第3位等の輝かしい戦績を誇っている。現在60余校の東京の国、公、私立学校が参加
する大きな大会に成長し、レベルの高い「16高校水泳大会」(於・辰巳国際競技場公認50mプール)は、黒潮会OB有志の呼び掛けで始まったもので、準備会・大会1回目から現在まで50年間、都大附高は参加している。
団体で4位になったこともある。
現在会員数も500余名。名簿をめくると第2次世界大戦の戦死者6名という凄いドキュメントもある。
元運輸大臣、一部上場の元社長、各分野の大学教授、水泳インストラクター等々人材は多士済済で、日本はもとより海外でも活躍している。
もちろん悠々自適シルバーも楽しんでいる大先輩も多い。
これは、八雲が丘に素晴らしい7コースのプールと部室が戦前から存在し、水泳好きなやつが集まって水泳部をつくり、この同じプールで泳いだ仲間は、学校名が変わっても、同じプールで水泳生活を謳歌した仲間意識が特に強くそれは醸成され、正に「継続は力なり」になっている。
それはいつも昔から先輩が手弁当で、つまりボランティアで、水泳を厳しく優しく科学的に現役をコーチする伝統があるからだと、高品会長は述べている。
自由と自治の伝統的精神は、プールサイドや部室に満ち溢れ、もちろん鉄拳制裁などという軍国主義的な行為は、戦前から現在まで皆無である。
青春を謳歌し、人生を議論し、芸術や恋愛に悩むことはあったろうが、現代で言う「鬱」や「イジメ」なんかはとうてい考えられなかった。
自主的で自由な雰囲気の中で「水泳」と言う意外と奥深いスポーツ文化そのものが、いまでも人間性豊かに脈々と生きていると、彼は強調している。
本年度は、都大附高水泳部は高3のみとなり附高としては最後の卒業生となる。
一方、中高一貫6年制の東京都桜修館中等教育学校の水泳部は中1〜中5となる。
実際には同じ屋根のもと、同じ水の同じ2階の室内プールで仲良く練習をし夏合宿も合同に行っている。
熱心で真面目な若い黒潮会会員(都大附卒業生)がコーチ陣となり真摯な水泳指導をしており、黒潮会はコーチに対して経費の一部を援助している。